症状についての報告

歪みからくる腰痛 産後に起こる症例の1つ③

子供のお世話から来る腰痛

日頃は筆者自身の症例報告を載せることが多いので、今回は院長が担当している患者さまの症例報告を掲載しました。
それに僕なりの解釈を付け加えて、今後に同様の症状をお持ちの方の助けになればいいなと思います。

当院では痛みの原因をとる根本治療の一環として骨盤矯正を行っており、これはこれまで行ってきた6万件以上の姿勢分析のデータをベースに行っています。
骨盤が歪むことで様々な症状を身体に引き起こすことは最近のテレビなどでも取り上げられているので、周知のことと思います。
現在、来院されている患者様はこういったお悩みで来院されました。

主訴・本日の状態

腰の痛み。
頭痛。
産後の骨盤矯正。

年齢:40歳。
貝塚市在住。
R1・12月に初診。
2回目の来院。
子供が2人いてて、上の子が自分の奥さんと同級生なので紹介にて来院。
下の子は1歳。

原因

赤ちゃんをお世話するときにする抱っこ。
成長と共に体重が増量されるわけですが、重たくなってきたからといって抱っこをしないという訳にもいきません。
日々の蓄積により、もともと反り腰であった姿勢に子供の体重も腰に負担をかけたのではないかと推察します。

反り腰の原因は腹筋などの身体の前側の筋肉と姿勢を支える身体の後ろ側の筋肉のバランスが崩れてなります。
姿勢を支える身体の後ろ側にある筋肉に主要姿勢筋というものがあります。
主要姿勢筋とは、頭を支える頸周りの頸部筋や背骨を支える脊柱起立筋、太ももの裏側にあるハムストリングス、足首を動かすヒラメ筋をいい、常に前側に重心が掛かっている身体を倒れないように支えています。
人間の身体は、構造的に前側に重みが偏っている状態です。
それは内臓などが身体の前側に集中し、身体の軸となる背骨は身体のぎりぎり後ろの方にあるので、普通に立つだけでも前に倒れそうになる重力と対抗するために主要姿勢筋が常に身体の後ろ側で身体を支えてくれています。
主要姿勢筋がうまく作用してない状態、例えば太ももの裏側から骨盤の後ろに繋がるハムストリングスが筋力低下により骨盤は前に傾きやすくなります。
その為、身体が前に倒れてしまわないようにバランスをとろうと、ちょうど腰のあたりで反ってしまいます。
普段からこのような状態なのに成長期のお子さんを前で抱えていることを続けると、さらに反り腰な状況を加速し、腰痛を強くします。

頭痛の原因としては、上にもう1人、お子さんがいらっしゃるとのことで、日常生活で下を見てお世話をすることが多いのではないでしょうか?
頸を下にすることが日常的になることで、頭が常に下に垂れた状態になります。
いわゆるストレートネックというもので、本来は緩やかな彎曲をもっている(前弯)頸椎が負担のかかりすぎにより真っ直ぐ一直線になってしまい、顎が前に突き出した姿勢になる状態のことをいいます。

他にストレートネックになる要因として、日常生活でスマートフォンを長時間操作しているとなりやすくなります。
待合室で施術をお待ちしていただいている際にスマートフォンを操作しているのを見ていて、そう推察しました。
スマートフォンを操作するとき、スマートフォンは顔より下にあるので、自然とうつむく姿勢をとりがちです。
そのため、頭部の重心を前にかけてしまうことにより、頸に大きな負担を与えます。
一般的にうつむく角度が15°で頸椎にかかる負担は約12kg、30°で頸椎にかかる負担は約18kg、45°で頸椎にかかる負担は約22kg、60°で頸椎にかかる負担は約27kgとされています。
頸を曲げてうつむく程、頸椎にかかる負担は大きくなります。
一番大きい角度の60°では、ほぼ30kgとなり、自分の子供より重たい重量物を頸からぶら下げている状態となります。
ちなみに、小学3年生でそのくらいの平均体重です。

その状態で頸周りの筋肉が固まり、頸椎の関節可動域をせばめたためにOCC(後頭骨を意味する)と環椎の関節にて詰まりが生じ、頭痛を発症しやすい状態を作っていると推察します。

施術者の見解・治療内容

骨盤がLPIとなり、腰の反り返りもだいぶきついことから、左の腰の筋肉の張りが強くなり、関節の動きも悪くなって痛みが出ていると考えられる。
頸部では、C5ーC6LP(C:頸椎、L:左、P:後ろの意)で左回旋で引っ掛かりが出ている。

治療は骨盤周りと腰の脊柱起立筋を胸腰部まで緩める。
頚はC5-C6を関節を伸ばしていきながら矯正をかけていく。
OCCの詰まりもきつく頭痛の原因になっているので牽引をかけていく。
カイロベットはLPIドロップ、腰のフレクション、反り腰矯正で上向きドロップにて行う。

治療計画

ゆがみがきついのでゆがみが安定するまでは詰めて来てもらい、同様の治療を施して経過を診ていく。

産後の骨盤矯正や赤ちゃんの抱っこから来る諸症状でお悩みの方は是非、

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(2020年1月24日)

手の痺れ。産後に起こる症例の1つ②

抱っこによって起こりえる症状

日々、あやしたり、寝かしつけたりで赤ちゃんを抱っこするお母さんは様々な身体的ストレスを抱え込みます。
今回、来院された方は産後2か月で初めてのお子さんとのことでした。

岸和田まちの

主訴・本日の状態

左手の中指と薬指がときどき痺れる。
左肩が子供を抱っこするとつるみたいに痛い。
腰がなにもしてなくても怠い。
頭痛も時々する。
雨が降る前に多い。
成長期側弯と以前に言われた。

既往歴:婦人科疾患。

年齢:30歳代前半。
岸和田在住。
仕事は元々は立ち仕事だったが、その後にデスクワークに。
現在は産休中。

原因

子供の抱っこや腕枕は左上肢を使うことが多いようで頸や肩に負担をかけている。
左肩に痛みがあり、また手を身体の後ろに回して下着を止める際に痺れが出ることもたまにあるとのことで、神経の圧迫を疑う。
手の痺れに対し、子供の体重を支えるのに手首に負担がかかりやすい。
抱っこの際は、身体を反るようにして支えるために腰に負担がかかりやすい。
また、成長期に起きた側弯により脊椎の生理的彎曲が保たれていないと思われる。

施術者の見解・治療内容

姿勢分析では反り腰で身体は後ろ重心になっている。
肩の痛みを訴え、痺れもあるので頚椎症性神経根症胸郭出口症候群を疑い、鑑別診断をしていく。
頚椎症性神経根症の鑑別テストであるSpurling テスト、ジャクソン テストは陰性だった。
よって頚椎症性神経根症は除外とした。
胸郭出口症候群の鑑別テストであるモーリーテスト、ルーステストでは陽性の反応が見て取れた。
胸郭出口症候群を疑う。

胸郭出口症候群
斜角筋症候群、頸肋症候群、肋鎖症候群、過外転症候群の総称。
腕神経叢と鎖骨下動脈・鎖骨下静脈が胸郭出口領域を通過するときに3つの狭い間隙を通り、その狭窄部で何かしらの原因で圧迫された時に症状がでる。
神経症状や血行障害による上肢に疼痛やしびれ感・冷感などをもたらす。
肩こりや上肢への放散痛などから頚椎症との鑑別が必要である。

左手の第3指と第4指に痺れがときどき出るとのことで、子供を抱っこする際に手首に負担がかかっているの可能性を考えて、手根管症候群の鑑別を行う。

手根管症候群
手根骨の隆起(内側は豆状骨と有鈎骨鈎、外側は舟状骨結節と大菱形骨結節からなる)の間にできる溝(手根溝という)を覆う屈筋支帯でできる隙間を手根管といい、その中を前腕の屈筋群の腱と正中神経が通っている。
この部において正中神経が何らかの原因で圧迫されることで発生する病状を手根管症候群という。症状としては、第1指から第4指撓側半分のしびれ感があり、早朝に強く、手を振ることで軽減する。
疼痛は手関節、手指にみられ、母指球は委縮し、筋力低下が起こり、ボタンかけやつまみ動作が不自由になり、チネル徴候(手根管部を軽く叩くと指先に放散するしびれ感)、ファーレン徴候(手関節を曲げるとしびれ感が増悪する)は陽性となる。

ファーレンテストを行い、早期に反応が出たので手根管症候群も陽性だった。
また、雨の日に頭痛を起こすことが多いとのことで自律神経の亢進、もしくは三叉神経の亢進も視野にいれて治療する。

施術では腰の怠さを考えて、足底から順に殿部まで弛緩していく。
これは子供を抱っこすることにより反り腰姿勢になって血行が障害されて血流が阻害されているものを改善するために行った。
また、下腿や殿部の筋力低下も触知できたので、静脈の弁が機能的に血流を身体に循環していないものと推察した。
反り腰姿勢になりやすい方は概ね殿部の筋力低下に加えて股関節の柔軟性が低下が原因となるので、股関節のストレッチを施していく。
肩回り、とくに棘上筋、小円筋、大胸筋を緩めていき、肩甲骨剥がしで肩甲骨の可動域を出していき、菱形筋も伸展させていく。
手根管を拡大するイメージで手掌を把持して手首の正中線上を圧迫しながら伸展し、牽引をかけていく。
カイロベッドで、骨盤の歪みの矯正と開いた骨盤を閉じる矯正に胸椎の矯正をしてからフリクションで腰部をしっかりと伸ばしながら背のばしをしていく。
胸郭出口症候群により、狭窄した部位に対して超音波療法をしていく。
今回は斜角筋隙と鎖骨と第1肋骨の間を照射した。
これでいったん治療を終えて、次回時にどれだけの効果があって、どれだけの時間で痛みが戻ったかを確認する。

治療計画

基本は今回に施した治療を繰り返すが、それに肩回りは吸玉治療を足していく。
また、常に子供の抱っこや世話により前傾姿勢を取ることで肩や腰に負担をかけるので患者さんが自身で簡単にできるストレッチ法を指導する。

治療2~5回目

2回目の来院で腰痛は改善し、左上肢の痺れはだいぶ軽減されていることを確認した。
そこで前回の治療法を踏襲すると共に吸玉治療を肩回りに追加していった。
そこまでの瘀血おけつはなくピンク色をしていたが、盛り上がりは確認できた。
これは皮膚の下の組織液の滲出しんしゅつで、体内の痰、飲、水、湿などの病理産物などの水分が負荷的存在となって皮下組織を通過し、皮膚に進出して停滞してこのような缶象を形成します。
また、帰る前に菱形筋と大胸筋をストレッチする方法を教えて、就寝前に30秒づつするように指導した。

3回目の来院時には左上肢の痛みや痺れは改善していたが、右上肢に同様の症状が出るとのことだった。
指の痺れまではないとのことで、胸郭出口症候群のテストをいくつかして陽性反応が出た。
母親とは無償の愛を注ぎながら自分は身体を酷使するんだなと感心しながら、右上肢を中心に左上肢にしたように治療を施した。

4回目では改善しているがまだ少し痛いとのことで、続けて同様の治療を施していく。

5回目。
患者さんから電話があり、予約日ではないが診てほしいとのこと。
「どうしましたか?」
との問いに、
「夜、寝ているときと朝方に右肩がすごく痛くなって、次の治療日まで我慢できないんです。」
ということだった。
予約時間を告げて来院し、問診をして痛みがある箇所を指さしてもらうと上腕骨の結節間溝部だった。
疼痛が出る動作をしてもらうと肩関節の外転・外旋運動で痛みが増悪した。
上腕二頭筋長頭腱炎や腱板損傷を疑う症状だった。
腱板損傷のテストでは陰性だったが、上腕二頭筋長頭腱炎のテストでは陽性だった。

上腕二頭筋長頭腱炎
上腕二頭筋は烏口突起に起始する短頭と関節上結節に起始する長頭からなり、橈骨粗面に停止する。
上腕二頭筋長頭腱は、上腕の結節間溝のトンネルを通り、結節間溝内で水平方向から垂直方向へと方向を変えるといる解剖学的特徴により結節間溝で機械的刺激を受けて摩耗しやしい構造となっていて、腱炎や腱鞘炎、ときには断裂が発生する。発生機序として
①肩関節の外転・外旋運動を仕事やスポーツで繰り返すことにより小結節との摩耗による変性が進み発生する。
②重量物の挙上によって上腕二頭筋が腱の張力を超えて収縮したときに発生する。
③緊張した上腕二頭筋に対して突然の強い伸張力が加わった際に発生する。症状としては、腱炎や腱鞘炎の場合、結節間溝部に圧痛を認めることが多い。
著明な可動域制限はないが、疼痛増強動作で放散痛を認める。

治療では上腕二頭筋の筋腹と停止部を中心に弛緩していき、吸玉治療を肩回りはもちろん、前腕にある停止部と内側に抜缶し、10分間の留缶をする。
また、超音波療法も同部に併用した。

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(参考文献:柔道整復学・理論編 改訂第5版、解剖学 改訂第2版)



(2019年11月22日)

膝の痛み。産後に起こる症例の一つ①

産後骨盤矯正

膝が痛い

産後の骨盤矯正を希望する患者さんが来院されました。
子供を出産してから太ったからか膝が痛いとのことでした。
また、以前履けていたズボンが骨盤の開きによって入らないとのことで骨盤矯正もしたいと足を運んでくれたようです。
主訴・本日の状態
膝の痛み。
腰が怠い。
骨盤矯正を希望。

年齢:20代後半。
初産。
仕事はネットショップを運営。

原因

妊娠すると赤ちゃんが産道をスムーズに通れるように骨盤を支えている靱帯が緩み、骨盤が開きます。
出産後は徐々に元に戻るのですが、骨盤周囲の筋肉が筋力不足の人はなかなか戻らないことがあります。
また、姿勢のバランスによって骨盤は歪みを起こしやすいのですが、出産により筋肉の靱帯が緩んだ状態では普段時よりも骨盤の歪みが助長される傾向にあります。
いつも同じ側の手で赤ちゃんを抱っこしたりと身体の使い方でも歪みの差は大きくなります。
骨盤の歪みにより、骨盤周囲の筋肉が緩んだ状態になってしまい、緩んだ筋肉は収縮しにくく血流が悪くなり、代謝も低下します。
これが産後に太る原因の一つなのですが、膝が痛くなる原因はもう一つあります。
女性は男性と比べると、膝関節にあるQ角が大きいです。
Q角とは大腿骨の中心線と脛骨の中心線が交わる部分に出来る角度をいうのですが、男性で約10°、女性で約15°といわれています。
このQ角が女性の方が大きいことに骨盤との関係があります。
女性の骨盤は男性と比べると子供を産むために上から見ると広く楕円形をしています。
ちなみに男性はハート型です。
この骨盤の広さが違うと骨盤の前方部分の角度も角度も女性で90°、男性で60°と差があります。
Q角が大きいことで女性は男性より膝関節が外反しやすいのでその分ストレスが膝関節に出やすい傾向にあります。
これが出産により骨盤が平時より広がっていると、大腿骨の角度が大きくなることでQ角が増大し、膝関節へのストレスが出て痛みを出したんだと思われます。

施術者の見解 治療内容

姿勢分析では右重心で猫背姿勢を呈している。
出産後の骨盤の開きや体重の増加、骨盤の歪みが膝関節の痛みを誘発していると推察される。
普段、仕事でパソコンでの業務の為にやや巻き肩で肩の張りも感じられる。
冷え性もあり、足のむくみも触知でき、それにより腰の怠さも引き起こされたと推察する。

骨盤周りの筋肉と大腿、下腿の筋肉の弛緩・ストレッチを主体に施術していく。
巻き肩の矯正に肩甲骨剥がしと大胸筋を緩めていく。
骨盤周りの筋肉を緩めた後にカイロベッドにて骨盤矯正をしていく。
骨盤をドロップにより左右の歪みと開いた骨盤を整えていく。
胸椎ドロップで猫背姿勢の改善とフリクションにて背のばし矯正をする。
冷え性と代謝改善に足湯治療をする。

治療計画

骨盤周りの筋肉の弛緩とカイロベッドでの骨盤矯正を主軸に経過を診ていく。

その後

来院2回目の時に
「何か変化はありましたか?」
と質問すると、
「膝の痛みは少しマシになりました。」
ということだったので、継続して同様の治療をしていきましょうとなった。
骨盤の矯正の実感を感じて欲しかったので、妊娠前は履くことが出来たズボンで今は入らないものがあるかを尋ねる。
「ほとんどです。」
との回答だったので、そのズボンが入ることを目標に骨盤矯正をしていく。

来院5回目で膝の痛みは、ほぼない状態になった。

来院6回目でズボンについて尋ねると、
「骨盤の方は元に戻ったのか、ズボンは入りますが前が締まりません!」
との答えが・・・。

妊娠前の体重を訪ねるのは憚れるので、体重の増減を聞いてみました。
「15kgほど増えたけど、体重自体は以前のものに戻ってます。
でも、体型とくにお腹周りが元に戻らなくて・・・。」

どうやら妊娠中に子宮の中の赤ちゃんを守るために付いた体脂肪が落ちずに残ってしまっているようです。
骨盤の歪みは太りやすくなる原因の1つですが、それが解消されても代謝が低下していたり、脂肪を燃焼するための運動量が少ないと脂肪を減らすのには時間がかかります。
また、子供の世話に手を取られて自分の食事の準備もままならず、手軽なもの、例えばおにぎりやパンなどですまして炭水化物や脂質の多い食事になり、栄養が偏って痩せにくくなっているのかもしれません。
問診すると、元々、運動もとくにしないし野菜も得意ではないので食べないからお通じも悪いほうとのことでした。

家でもできる簡単なトレーニング方法を提案し、食事も野菜などもきちんと摂取するようにお話しました。
それ以外に僕ができることとして、代謝を改善する調整をする施術をしていくことを提案し、現在、体脂肪を減らすために頑張っておられます。

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(2019年11月15日)

重たいものを持つ時はご用心を

急性の症状ですが・・・

今週は普段に増して、腰部の疼痛を訴える方が多く、また急性の症状を訴える新患さんが来院されました。
急に季節が進行し、朝晩の寒暖差が大きくなったのが原因ではないかと考えています。
この方もそういった症状で来院されたのかなと推察しました。

主訴・本日の状態

昨日の16時にセミダブルのベッドを一人で移動しようとした際に腰にグギッとした痛みを覚えてた。
強い痛みの為に歩けなくなった。
寝ていて、寝返りをうつのもつらい。

年齢:50歳代。
岸和田在住。
母親と2人暮らし。
営業職。

既往歴:うつ病、耳鳴り 、不眠症。
現在はうつ病の薬を服用中。

原因

この方の言うように直接の原因は重量物であるベッドを一人で移動した際に、腰に対して許容できない程の過負荷がかかったために起こった症状です。

発生機序を考えると、急性腰痛、通称をギックリ腰が一番ありえそうですが、こればっかりは触診してからでないと判らないので問診したあとに施術ベッドに仰臥位になってもらいました。

肢位を変えるだけでも激痛が襲っているようなので、あまり長く時間を取らずに治療に入るつもりです。

施術者の見解 治療内容

痛みが強く、歩くことも臥位になることも難しい状況でした。
L2〜S1まで腰椎、仙椎を圧迫すると強く疼痛が誘発します。
とくにL2を押さえたときが顕著に痛みを訴えました。
また、左腰部L2レベルの脊柱起立筋を圧迫で強く疼痛が誘発されますが、その下部の脊柱起立筋を圧迫しても、それほどの疼痛は誘発されませんでした。
右腰部から下腿を押圧、右足底から踵を叩いても疼痛は響かなかったが、左下腿、大腿の押圧、左踵から叩くと腰まで響きました。

急性腰痛というよりは、圧迫骨折やすべり症まで疑えます。
そのことを患者さんに伝えて、このあとに整形外科でレントゲン検査を受けることをお勧めしました。
それでも患部の炎症と少しでも疼痛を緩和してもらいたいので、急性症状の炎症に有効な超音波療法をしていきます。
患部に急性で超音波治療を5分してから、一度立ち上がってもらい、痛みの具合をみてもらいます。
急性腰痛ならば、ある程度の疼痛の緩和が期待できるのですが、あまり変化がないとのことで、腰部の筋肉の補強としてテーピングを施しました。
あとは今から整形外科にいって骨損傷がなければ、明日も継続して治療に当たる旨を告げて帰られました。

翌日、患者さんから連絡を頂き、レントゲン検査で腰部圧迫骨折をしていたと告げられました。
これから手術をするとのことでしたので、その後の後療法でチカラになりたいと思います。

腰部圧迫骨折
脊椎椎体の圧迫骨折は、脊柱に垂直方向からの圧迫力が働いて発生するものが多いです。
人によっては、骨粗鬆症などの骨の強度が低下している場合には屈曲力のみでも発生します。
今回はL2と上部腰椎でしたが、臨床では胸椎から腰椎に変わるところである胸腰椎移行部がもっとも損傷をうけやすいです。
脊柱屈曲位で尻もちをついた際や過度の外力が働いたときには、椎体の圧潰により楔状変形(楔状とは頭部が大きく、末端が尖っている形。くさび型。)をきたします。
症状としては、
①受傷した椎体の棘突起が後方に突出し、ときには亀背や凸背を呈することがであります。
②疼痛によって、痛すぎて立てないし、歩けないし、前にかがむことも困難になります。
③突出した棘突起部では圧痛や叩打痛がみて取れます。
④受傷後から数日が経過すると、受傷した椎体の高位に一致する皮膚分節に帯状に疼痛が出てといきます。帯状痛。
⑤x線側面像で椎体の楔状の変形が確認でき、CTやMRI画像では椎体の破壊像も確認できます。
⑥しかし、脱臼骨折の形にならない限りは脊髄損傷を合併することは少ないです。
⑦腸の蠕動運動の低下による腹部膨満感を訴えることもあります。これに伴い、便秘傾向になることもあります。注意したい点として、高齢者で骨粗鬆症が進んでいる方では、咳やくしゃみなどの軽微な外力でも骨折し、またほとんど外傷の自覚がなくても骨折があるので、「すごい痛いけど、いつものぎっくり腰やから大丈夫!」と判断しないで、慎重に対応し、専門の機関や整骨院での診てもらうことが必要です。

整復は高齢者ではあまり整復をしないで、楔状変形のまま放置していることが多いようです。
実際は可能な限り整復してアライメントを整えるのが望ましく、とくに若年層で腰部圧迫骨折をし、後弯角が20°以上の場合は整復の必要性が大きいです。
固定期間は通常3ヶ月程度で、その間、筋肉の廃用性委縮を予防する目的でベーラー体操をしたり、近辺の筋肉の弛緩を目的とした手技療法をするのが望ましいです。

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(2019年11月10日)

頸からくる痺れ

頸椎症性神経根症

既存の患者さんで頸と肩の痛みで通院されていた方が、新たに片方の上肢の痺れを訴えてきました。
急に症状が変化し、また痺れがでているのとのことで新たに問診をして、疼痛誘導テストや可動域テストをしました。

主訴・本日の状態

頸の痛み。
左肩~母指・示指・中指の痺れ。
肩甲骨外側の痛み。

年齢:30歳前半。
岸和田在住。
既婚。
子供1人。
趣味はお酒。
bar巡りを始めた。
レントゲンで第7頸椎から少し側弯している。

初来院は2月。

施術者の見解 治療内容

症状は6月初旬に顕著になった。
左肩や上腕、母指・示指・中指の痺れ、肩甲骨外側の疼痛を主症状として訴える。
左肩を下にして側臥位にすると痺れと疼痛が増悪される。
C5〜7を母指にて圧迫すると痺れと疼痛が顕著に増悪される。
頸・肩周りの筋肉は硬い。
姿勢は反り腰を呈している。
巻き肩を有しており、その為に大胸筋も緊張して硬い。
Spurling testでは左側屈で陽性を呈した。
Jackson testでは少し疼痛が出現する。
斜角筋圧迫で手指の痺れが増悪した。
左側屈に可動域制限があり、肩を若干挙上する仕草が見て取れる。
レントゲン検査により第7頸椎に側弯が見られたことから、椎間板の変性による頚椎症性神経根症の疑いを持つ。
また、肩の筋肉の異常な張りや巻き肩、斜角筋の緊張も考えると胸郭出口症候群も同様に考えられる。

頚椎症性神経根症
片側の肩甲帯、上肢の疼痛、痺れを訴える症状です。
頸椎の伸展や患側の後側方への伸展により上肢への放散痛を生じるのが特徴です。
たまに筋力低下をきたす場合もあります。
レントゲン検査では椎間板腔の狭小化や椎体縁の骨棘形成、ルシュカ関節の骨棘形成をみることが多いです。
整骨院ではレントゲン検査をすることができないので、徒手による神経根刺激症状をみる検査法を使いました。
Spurling testー頸椎を患側へ側屈させ、軸圧を加えることで椎間孔が狭窄されるので陽性の場合は患側の上肢に疼痛や痺れが増強されます。
Jackson testー頸椎をやや後屈位にし、頭部を下方に圧迫すると陽性の場合は患側の上肢に放散痛が生じます。
胸郭出口症候群
肩こりとして自覚されやすい症状です。
頸から腕に向かってたくさんの神経や血管、筋肉が密集していて、胸郭出口と言われる箇所を通って腕までのびています。
そして胸郭出口には3か所ほど物理的に狭いところがあり、こういった所で神経や血管が圧迫されることがあります。
頸から腕に向かって順に斜角筋と呼ばれる頸の筋肉で構成される所、鎖骨と第1肋骨の間、胸の筋肉の1つである小胸筋と肩甲骨との間の部分で起こりやすいです。
こうした狭窄部位で神経や血管が圧迫される症状をそれぞれ斜角筋症候群、肋鎖症候群、小胸筋症候群といい、これらを総称して胸郭出口症候群と呼んでいます。
症状としては、頸や肩、腕の痺れ、チクチクする感覚、刺すような痛みがあり、また神経症状の持続で筋力低下による手の握力の低下、指先が不器用になるといったことも起こります。
血管の症状として動脈に圧迫があると血行不良により皮膚が白くなり、静脈に圧迫があると青紫色になったりします。
検査法としてはアドソンテスト、ライトテスト、エデンテスト、モーリーテストなどがあり、今回はモーリーテストを使用しました。
モーリーテストー斜角筋の部分を圧迫すると、陽性の場合は圧痛と上肢への放散痛が生じます。

左右肩周りと頸の筋肉の弛緩・ストレッチ 、とくに左を上にして側臥位で胸鎖乳突筋、斜角筋を軽度に押圧していく。
斜角筋隙から腕神経叢、腋窩から腋窩神経にアプローチしていく。
反り腰・巻き肩治療に大胸筋の弛緩とカイロベッドで上向きドロップをする。
単刺にて頸・肩周りの経穴にアプローチする。
電気鍼で頚部・肩部に電気的刺激を与えて筋肉を弛
緩していく。
冷え性から来る血流障害から筋肉が硬くなりやすいので、足湯療法をする。

数回の治療を経て、いくつかの神経の痛みは改善してきたがまだところどころで痺れがでる状態が継続していたので、膠着している治療速度を変えるために治療計画を見直していく。

以前、同様の症状について会社の勉強会にて勉強した折に教えて頂いた頸のお灸の仕方を新たに頚部・斜角筋隙にお灸を施した。
後日に患者さんから疼痛を緩和するような効果はなかったとの事で治療計画を変更して同部に超音波治療をする。

6月初旬から7月の月終わりまで週1〜2の施術で痺れ、反り腰、巻き肩は改善と判断しました。
時間のかかった理由に患者のライフスタイルを推察します。
1日、10時間近くスマートフォンを操作するそうで、その時の不良姿勢が治療に影響を及ぼしたと考えられるにではないでしょうか。
また、湯船にキチンと浸かる、枕が肩の高さに合わないなども考慮されます。

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(参考文献:整形外科学 改訂第4版)



(2019年10月18日)

姿勢矯正 猫背

猫背姿勢

年を経るに従って姿勢が悪くなることが多く、姿勢が崩れると身体機能の低下をもたらします。
本日は猫背が気になるという高齢者の女性が来院されました。

主訴・本日の状態

腰痛。
猫背が気になる。
姿勢矯正をしたい。

年齢:70歳代、女性。
岸和田在住。
主婦。
趣味でコーラス。
60年代フォークソングが中心。
60歳代真ん中まで仕分け業に従事。
既往歴はなし。

初来院。

新規の場合は来院動機

近所に住んでいて、よく前を通る。
鏡の中の自分を見て猫背がスゴイ気になった。

原因

問診でのやりとりで、若い時から猫背姿勢だったが、ここまで背中が曲がった感じはしなかったそうです。
60歳を過ぎたあたりから気になりだしたとのことです。
女性の場合は、閉経によるホルモンのバランスが崩れることで猫背になる方が多いですね。
骨粗鬆症によって脊椎が変形したり、脊椎圧迫骨折によって変形した場合ですと、姿勢矯正をしても元には戻りません。
問診では骨粗鬆症はないとのことでしたので、そのまま姿勢分析で撮った写真と大腿、下腿の筋肉の筋力を触診しました。
普段はとくに運動をすることもないらしく、テレビの前に座っていることが多いそうで、そういったことが積み重なってなったと推察するのですが、大腿、とくにハムストリングスの筋力不足が気になりました。
座椅子に背中をあずける座り方で長時間を同じ姿勢でいることでも、猫背を助長し、下半身の筋力を低下する要因になりますので、そういったことも考慮に入れていきます。

ここで考えられうる筋肉のコンディションとして、
1)大殿筋が本来の起始・停止の位置より筋肉の柔軟性の低下により硬くなって縮んでしまっている。
2)腸腰筋が本来の起始・停止の位置より筋肉の筋力低下により伸びて緩んでいる。
3)腹直筋が十分に伸びなくなり、柔軟性がないので骨盤が引っ張られて骨盤の傾きが変わった(骨盤が後傾した)。
4)ハムストリングスが本来の起始・停止の位置より筋肉の柔軟性の低下のために縮んで、硬くなっている。
5)大腿直筋が本来の起始・停止の位置より筋肉の筋力低下によって伸びて緩んでいる。
6)脊柱起立筋が筋力低下のために起始・停止の位置が長くなってしまっている。
といったことが考えられます。
こういったことが原因で骨盤の後傾がきつく、猫背姿勢になると、もちろん腰に多大な負担をかけて痛みを増強します。

また猫背姿勢は内臓を常に圧迫された状態となるので、便秘の有無や食欲はきちんとあるか、背中が伸びづらいので呼吸機能の低下も考えられ、それについても問診していきます。
背中が伸びづらいということは、頭部や頸の関節にもストレスがかかりやすいので、本人が感じてなくても頸・肩周りの筋肉が硬くなっている可能性もあります。

施術者の見解 治療内容

姿勢分析では、左重心で猫背姿勢がきつく、腰椎の後弯と側弯もみてとれる。
骨盤の傾きはLPIを呈している。
触診では下半身、とくに大腿の筋力の低下が著しい。
腰部、殿部の柔軟性不足により極度の硬さがある。
バランスを保つために立位姿勢では軽く膝を曲げて立ち、頭を少し前に出しているが身体は後ろ重心を呈している。
殿部、腰部から背部にかけて弛緩していき、背伸ばしをしていく。
肩や頸も硬いので可動域を広げるように弛緩していく。
頸は後頭骨の牽引を主体として行い、椎間関節の拡大と筋肉の伸展をしていく。
カイロベッドで骨盤ドロップ、胸腰部のドロップを弱程度で行い、背腰部から胸椎部まで背伸ばしをしながらフリクションしていく。

治療計画

背伸ばしを主軸に、硬い腰背部は吸玉治療を提案して筋肉の弛緩をしていく。
下半身の筋肉群に対しての無理のない自重トレーニングを指導する。

治療2回目

二日後に再来院。
前回の治療によってどういった変化があり、また患者が思ってたよりも効果がなかったかなどをドキドキしながら問診していく。
このとき、「あんまり変わらないですね~。」
と言われると新しく治療計画を練ると共に僕自身のメンタルも少しやられるので初回の治療とこの問診は普段より力が入ります。
幸い、「腰の痛みはすごい楽になりました。」
と言っていただき、ホッと息を吐く。
顔色は初回時よりも良いように感じる。
前回の治療方法で変化が出ているので、治療の仕方は踏襲しつつ、腰殿部に吸玉治療とハムストリングスのストレッチをしっかりとしていく。
抜缶場所は腰部にある足太陽膀胱経に属する経穴と殿部の経穴、中殿筋の起始・停止に30mm/Hgを目安にして10分間の留缶法で施術した。
また、前回の問診では骨粗鬆症ではないと仰っていたが本人がそう思うのと実際の身体の状態は違うので骨粗鬆症の検査を専門機関でして欲しい旨を伝える。
老人性円背だった場合の可能性を考慮することも必要である。
もし、そうだった場合は猫背姿勢の矯正は不可能となるが、腰の負担軽減、硬くなった筋肉の弛緩や筋力低下に陥った筋肉の筋力トレーニングなどにより、健康で健全な生活が送る環境を提供できると判断する。

同じような症状でお悩みの方は是非、

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(参考文献:姿勢と動きの「なぜ」がわかる本)



(2019年10月10日)



 

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