産後のホルモンバランスの変化。産後に起こる症状
産後のホルモンバランスの乱れによって・・・
今までの産後に起こる症状で書いてきたブログで、産後に起こる女性ホルモンの乱れについて述べてきました。
それらについて、もう少し詳しく、女性ホルモンが乱れることで起こりえる症状を記したいと思います。
女性の身体ではプロジェステロン(黄体ホルモン)とエストロジェン(卵胞ホルモン)という2つの女性ホルモンが周期的に入れ替わるように増減を繰り返しています。
プロジェステロンの作用は、
①体温を上昇させる。
②基礎代謝を更新させる。
③受精卵の発育・妊娠を維持させる。
④子宮体部で子宮内膜を分泌期のものに変える。子宮筋の収縮性を抑制し、オキシトシンに対する感受性を低下させる。
などといったことを担ってます。
エストロジェンの作用は、
①思春期に女性副生殖器(恥丘、大・小陰唇、膣前庭、陰核、子宮、膣、卵管)の発育の促進、乳腺の乳管を成長させて、乳房を大きくするなどの2次性徴を発現させる。脂肪の沈着部位を変えて女性らしい体型のつくる。
②食欲を抑制、喜びや怒りの心を増強。感覚の認知、記憶・学習、言語機能を高める。
③子宮体部で子宮内膜の肥厚、オキシトシンに対する感受性を高める。
④子宮頸部で頸管膜の粘液分泌を増加させる。
⑤膣粘膜上皮の増殖・角化を促進させる。
⑥乳腺で間質、乳腺管を発育させる。
⑦長管骨の成長と骨端線の閉鎖を起こす(思春期)。骨吸収を抑制、骨形成を促進、骨塩類を増加させる。
⑧皮脂分泌を抑制。保温性・弾力性を保持させる。乳頭、乳輪、外陰部の色素沈着を起こさせる(妊娠時)。
⑨血管で拡張を起こし、その結果、血圧低下を起こす。抗動脈硬化作用。
⑩HDL-コレステロールの増加、LDL-コレステロールの減少、トリグリセリドの減少。
といった働きを持ちます。
で、妊娠するとこれらのホルモンが多く分泌されて、胎盤を大きくしたり、乳腺を発達させたりと赤ちゃんを育てるための環境を作ってくれます。
産後になると、これらの女性ホルモンが急激に減少します。
代わりに増加するのが、授乳を促進するプロラクチンで、急なホルモンバランスの変化にお母さんの身体にいろいろな変化がでできます。
また、生殖腺機能の抑制も行い、授乳期間に排卵が起きないようにしています。
抜け毛の悩み
だいたい、産後3ヶ月くらいたってから急に抜け毛が増えるお母さんが多く見られます。
これはプロジェステロンが関係しています。
妊娠している間は、妊娠を継続させるためにプロジェステロンが通常時より優位に働きます。
プロジェステロンには抜け毛を抑え、髪の成長期を長くする作用があるのですが、産後にホルモンが通常時に戻ると、本来なら成長期を終えて退行期や休止期に入っていたはずの寿命を延ばされていた髪の毛が一気に抜け落ちます。
そのために一時的に薄毛になることがありますが、多くは半年から~1年で正常な髪の毛を作るサイクルに戻ります。
しかし、場合によっては戻るサイクルが遅れることもあります。
産後の育児ストレスや睡眠不足で身体に無理が続くと、疲労を回復しようとする生命エネルギーは根本的な生命活動を維持する方に回るために髪の毛の再生は後回しになってしまいます。
高齢出産の場合では、もともとの女性ホルモンの量が少ない、毛根がすでに老化を始めているといったことで抜け毛がより多くなり、髪の毛を作るサイクルが戻るまで時間がかかるケースもあります。
さらに出産による骨盤の歪みも、血行不良や髪の毛の成長を促進するエストロジェンの生成に影響を与える場合があり、サイクルが戻るのを妨げます。
肌荒れ
妊娠するとプロジェステロンが増えることで、メラニン色素が増加します。
メラニンが増加すると通常時より紫外線の刺激を受けやすくなります。
そうすると、シミやそばかすが出来やすくなったり濃くなったりすることもあるようです。
産後の育児ストレスや睡眠不足も肌荒れの原因になる可能性があります。
メンタル面の不調
エストロジェンの分泌が産後に急激に減少することで身体や脳が適応できずにメンタル面の不調をきたすことがあります。
産後うつ病といい、涙もろくなる・気分が落ち込みやすいといった症状がでます。
一時的な女性ホルモンの減少や睡眠不足によって引き起こされるので、赤ちゃんと一緒に昼寝をする、周りのサポートを受けるなど無理をせす身体と心を休める時間を作ることが大事です。
産後の骨盤矯正や赤ちゃんの抱っこから来る諸症状でお悩みの方は是非、
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(参考文献:生理学 改訂第3版)
(2020年3月20日)