大腿骨頸部骨折とは。岸和田まちの整体整骨院の考察
高齢者に多い骨折の1つ
今日、テレビを見ていると某元アイドルの義母である女優が左大腿骨骨折で一時危篤状態に!というニュースが流されていました。
どの部位を骨折したかは明らかにしていませんでしたが発生機序が舞台で転倒した際とのことでしたので高齢者に多い大腿骨頸部骨折ではないかと推察します。
こんばんは、岸和田まちの整体整骨院の宮河です。
前回に「高齢者の骨折について」というお話しをさせて頂きました。
今回はその中の大腿骨頸部骨折についてお話しします。
大腿骨頸部骨折
大腿骨頸部骨折は分類として内側骨折と外側骨折に分けられます。
内側骨折は骨頭下骨折と中間部骨折に分けることができ、関節包内での骨折です。
外側骨折は転子間骨折と転子貫通骨折に骨折部位による分類ができ、関節包外骨折です。
内側骨折と外側骨折で何が変わるかというと治癒スピードがまったく違うということです。
それでは、内側骨折から見ていきましょう。
内側骨折
転倒時に大転子部を強打した時に発生することが多く、これは頸部に長軸圧、剪断力や屈曲力が加わるためです。
また、歩いてる時や起立動作の際に捻転力や屈曲力が加わり発生することもあります。
これは大腿骨の頸体角と前捻角が高齢になると減少することで解剖学的に外力に弱くなっているためだとされています。
症状としては、機能障害を起こし起立不能となります。
まれに噛合骨折になると歩行可能になることもあるので詳細な診断が必要でしょう。
また下肢の短縮が顕著に見られます。
骨折後の肢位は外旋位となるのが一般的です。
腫脹は普通の骨折なら著明に現れますが包内骨折のためわかりづらいです。
疼痛に関しては股関節のスカルパ三角に圧痛があります。
人体の表面で言うと大転子部を叩くと疼痛を感じることになります。
そして大腿骨頸部内側骨折の何が難儀かというと治癒が大変困難です。
要因としては
(1)大腿骨頸部が骨膜仮骨に欠ける
(2)大腿骨頭を養う血管が骨折によって絶たれる
(3)骨癒合に不利な力学的影響
4)高齢者に多発する
といったことが挙げられます。
治療としては噛合している外転型骨折なら特に整復は必要なく十分な固定で大丈夫ですが内側骨折の大半を占める内転型の場合は合併症を防ぐために観血療法の適応となります。
人工骨頭置換術や人工関節置換術、釘固定術などがこれに該当します。
ただ、合併症にもなりやすく、阻血性大腿骨骨頭壊死や偽関節、遷延治癒、認知症、沈下性肺炎、褥瘡、尿道感染などが起こる可能性があります。
次に外側骨折ですが内側骨折に比べて血管分布状況は非常に良好なので、内反股を残さないように治癒を行えば治療は良好です。
治療法は早期離床を目的として観血療法が一般的ですが、術後の日常動作の確認に積極的な機能訓練などの後療法が必要となります。
症状としては、骨折により頸体角が減少し内反股を形成することが多いです。
受傷後はすぐに起立歩行が不能となり下肢は著明に短縮して外旋します。
腫脹は大転子部を中心に現れ、皮下出血班が大腿、臀部にまで波及します。
疼痛は大転子部に著明ですが、異常可動性は股関節の本来の運動と区別しがたいとされています。
合併症は内側骨折に比べて確率は低く、後療法をしっかりとやっていれば問題はないでしょう。
大腿骨頸部骨折の整復は整骨院で行う保存療法ではなく病院での観血療法が日常生活に戻る早道です。
ですが、その後に行う後療法は病院によっては簡単な自動運動と理学療法を施して退院といったことが多いようです。
骨が繋がっても痛みはまだ残っていたり、今後どのような後療法をしたらいいのか不安になる方も多いでしょう。
岸和田まちの整体整骨院ではそのような方の後療法に真摯に向き合い日常に戻るお手伝いをしたいと思います。
(参考文献:柔道整復学・理論編 改訂第5版)
(2018年8月31日)
鍼灸治療で自律神経障害を調節する岸和田まちの整体整骨院の考察。