むち打ちの症状について。岸和田まちの整体整骨院の考察
むち打ちの症状と検査法
暦ではもうすぐ、秋!
こんにちは!
岸和田まちの整体整骨院の宮河です。
前回は、むち打ち損傷:根症状型の初見と腰椎捻挫までお話ししました。
今回はその続きのお話しを。
その前に前回のおさらい。
- 40代、男性
- 昨日、サーフィンに行って、波打ち際で転倒し、上下がわからない中、揉みくちゃにされた
- 波が高く荒い日
- 至る所を捻られた感覚がある
- 裂傷や打撲はない
- 当日は痛いなぐらいだったが、翌日に耐えられない痛み
- 首が回しづらい
- 腕が挙がらない
- 腰が曲げづらい
- 腕が痺れている
- 肩、背中に痛みがある
- 腰部に対して検査した結果、腰椎捻挫が一番疑わしいといったことでした。
では頚椎、肩、背中は?
肩、背中には押圧による疼痛はありませんでした。
ただ、首を回旋してもらうと背中に、特に肩甲骨内側、外側上部に疼痛が誘発されました。次に、腕を90度以上に水平挙上しても、肩甲骨外側上部と肩部外側に疼痛が誘発され、疼痛を言葉にすると電気が走るような痛みとのことです。
これは神経からの疼痛を示唆してます。
頚椎部神経根圧迫症状の有無を鑑別する必要があります。
検査法としてはスパーリングテスト、ジャクソンテストを行いました。
スパーリングテストとは、頚椎の椎間孔圧迫試験で、患者をベッドに座らせ、頸部を患側に側屈し、検者は両手を頭頂部に置いて圧迫を加えます。
健常者には疼痛は誘発しませんが、頚椎部に神経根圧迫が存在する場合は、患側上肢に疼痛が誘発、増強または痺れ感が放散します。
ジャクソンテストは二種類行います。
まず、ヘッド コンプレッション テストで、患者の背後に立ち、患者の頸部を側屈、前屈または後屈させて頭頂部に圧迫を加えます。
神経根刺激症状がある場合は上肢に放散痛が誘発されたり、疼痛が増強します。
次にショルダー デプレッション テストで腰椎のSLRテストと同様の神経伸長検査です。
ヘッド コンプレッション テストと同様な位置で、一方の手で頚椎を健側に側屈させ、他方の手を肩の上に置き、その肩を引き下げます。
神経根刺激症状がある場合は上肢への放散痛が誘発したり疼痛が増強します。
検査結果はすべて陽性でした。
放散痛が強く出た箇所は肩外側に顕著でした。
また、肩外転90度以上で疼痛が増強し、その際、肩甲骨内側、腋窩より少し下辺りで疼痛が見られる事を考慮して三角筋、前鋸筋の支配神経である腋窩神経、長胸神経の損傷または狭窄が疑われます。
頚椎の神経レベルはC5〜C7ですね。
損傷レベルの推察がある程度出来たので、これから治療に入ります。
……次回に続く
(2018年8月11日)