頸からくる痺れ

頸椎症性神経根症

既存の患者さんで頸と肩の痛みで通院されていた方が、新たに片方の上肢の痺れを訴えてきました。
急に症状が変化し、また痺れがでているのとのことで新たに問診をして、疼痛誘導テストや可動域テストをしました。

主訴・本日の状態

頸の痛み。
左肩~母指・示指・中指の痺れ。
肩甲骨外側の痛み。

年齢:30歳前半。
岸和田在住。
既婚。
子供1人。
趣味はお酒。
bar巡りを始めた。
レントゲンで第7頸椎から少し側弯している。

初来院は2月。

施術者の見解 治療内容

症状は6月初旬に顕著になった。
左肩や上腕、母指・示指・中指の痺れ、肩甲骨外側の疼痛を主症状として訴える。
左肩を下にして側臥位にすると痺れと疼痛が増悪される。
C5〜7を母指にて圧迫すると痺れと疼痛が顕著に増悪される。
頸・肩周りの筋肉は硬い。
姿勢は反り腰を呈している。
巻き肩を有しており、その為に大胸筋も緊張して硬い。
Spurling testでは左側屈で陽性を呈した。
Jackson testでは少し疼痛が出現する。
斜角筋圧迫で手指の痺れが増悪した。
左側屈に可動域制限があり、肩を若干挙上する仕草が見て取れる。
レントゲン検査により第7頸椎に側弯が見られたことから、椎間板の変性による頚椎症性神経根症の疑いを持つ。
また、肩の筋肉の異常な張りや巻き肩、斜角筋の緊張も考えると胸郭出口症候群も同様に考えられる。

頚椎症性神経根症
片側の肩甲帯、上肢の疼痛、痺れを訴える症状です。
頸椎の伸展や患側の後側方への伸展により上肢への放散痛を生じるのが特徴です。
たまに筋力低下をきたす場合もあります。
レントゲン検査では椎間板腔の狭小化や椎体縁の骨棘形成、ルシュカ関節の骨棘形成をみることが多いです。
整骨院ではレントゲン検査をすることができないので、徒手による神経根刺激症状をみる検査法を使いました。
Spurling testー頸椎を患側へ側屈させ、軸圧を加えることで椎間孔が狭窄されるので陽性の場合は患側の上肢に疼痛や痺れが増強されます。
Jackson testー頸椎をやや後屈位にし、頭部を下方に圧迫すると陽性の場合は患側の上肢に放散痛が生じます。
胸郭出口症候群
肩こりとして自覚されやすい症状です。
頸から腕に向かってたくさんの神経や血管、筋肉が密集していて、胸郭出口と言われる箇所を通って腕までのびています。
そして胸郭出口には3か所ほど物理的に狭いところがあり、こういった所で神経や血管が圧迫されることがあります。
頸から腕に向かって順に斜角筋と呼ばれる頸の筋肉で構成される所、鎖骨と第1肋骨の間、胸の筋肉の1つである小胸筋と肩甲骨との間の部分で起こりやすいです。
こうした狭窄部位で神経や血管が圧迫される症状をそれぞれ斜角筋症候群、肋鎖症候群、小胸筋症候群といい、これらを総称して胸郭出口症候群と呼んでいます。
症状としては、頸や肩、腕の痺れ、チクチクする感覚、刺すような痛みがあり、また神経症状の持続で筋力低下による手の握力の低下、指先が不器用になるといったことも起こります。
血管の症状として動脈に圧迫があると血行不良により皮膚が白くなり、静脈に圧迫があると青紫色になったりします。
検査法としてはアドソンテスト、ライトテスト、エデンテスト、モーリーテストなどがあり、今回はモーリーテストを使用しました。
モーリーテストー斜角筋の部分を圧迫すると、陽性の場合は圧痛と上肢への放散痛が生じます。

左右肩周りと頸の筋肉の弛緩・ストレッチ 、とくに左を上にして側臥位で胸鎖乳突筋、斜角筋を軽度に押圧していく。
斜角筋隙から腕神経叢、腋窩から腋窩神経にアプローチしていく。
反り腰・巻き肩治療に大胸筋の弛緩とカイロベッドで上向きドロップをする。
単刺にて頸・肩周りの経穴にアプローチする。
電気鍼で頚部・肩部に電気的刺激を与えて筋肉を弛
緩していく。
冷え性から来る血流障害から筋肉が硬くなりやすいので、足湯療法をする。

数回の治療を経て、いくつかの神経の痛みは改善してきたがまだところどころで痺れがでる状態が継続していたので、膠着している治療速度を変えるために治療計画を見直していく。

以前、同様の症状について会社の勉強会にて勉強した折に教えて頂いた頸のお灸の仕方を新たに頚部・斜角筋隙にお灸を施した。
後日に患者さんから疼痛を緩和するような効果はなかったとの事で治療計画を変更して同部に超音波治療をする。

6月初旬から7月の月終わりまで週1〜2の施術で痺れ、反り腰、巻き肩は改善と判断しました。
時間のかかった理由に患者のライフスタイルを推察します。
1日、10時間近くスマートフォンを操作するそうで、その時の不良姿勢が治療に影響を及ぼしたと考えられるにではないでしょうか。
また、湯船にキチンと浸かる、枕が肩の高さに合わないなども考慮されます。

同じような症状でお悩みの方は是非、

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(参考文献:整形外科学 改訂第4版)



(2019年10月18日)



 

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