筋肉量の低下もその痛みの原因の1つです。岸和田まちの整体整骨院の考察

加齢から来る筋肉量の低下

高齢者の治療をしていると、最初の主訴である痛みがある程度改善してした段階で、ガクンと治療スピードが落ちることが多々あります。

具体的な例で言うと、
「膝の痛みで来られた変形性膝関節症の患者さんが歩くと常に痛いと言っていた症状が今は大丈夫だが、歩きだしや長時間歩くと膝の裏が突っ張った感じがする。」

といったことを訴えることがよくあります。

これは実は、痛みがある期間に歩くことが少なくなり、加齢も手伝って、筋肉量が低下したことで筋力が低下した状態だと推察されます。

こういった症状を「サルコペニア」といいます。

加齢や元々ある疾患などにより、行動範囲が狭くなることで筋肉量が減少して、下肢の筋肉や体幹の筋肉、握力といった筋力の低下をいいます。

それ以外にも、歩行時に杖や手すりが必要であったり、歩くスピードが若いころよりも遅くなるといった身体機能の低下もサルコペニアです。

サルコペニアは2つのタイプがあり、加齢以外に明らかな原因がない一次性サルコペニアと不活発な生活スタイルが招く二次性サルコペニアに分類されます。

先ほど記述した例で出てきた患者さんは二次性サルコペニアに分類されると思われます。

これがもっと悪くなると、「ロコモティブシンドローム」といったものに発展する可能性があります。

ロコモティブシンドロームとは、加齢に伴う筋力の低下や関節や脊椎の疾患、骨粗鬆症などにより運動機能が衰えて、要介護や寝たきりになってしまう、またはそのリスクが高い状態を表す言葉です。

こういったことにならないようには、軽い運動を推奨しています。
ウォーキングや水泳などが出来るならしてもらいますが、そのことにより痛みが増幅する方には簡単なレジスタンス運動を推奨しています。

レジスタンス運動(抵抗運動)とは筋肉に負荷をかけたトレーニングをいいます。
ようは筋力トレーニングなのですが、大事なことは高齢者でも無理なく出来ることです。

先ほど記述した膝に問題があるような患者さんには、大腿四頭筋や殿部の筋力アップが出来るレジスタンス運動をしています。
以前のブログで記載したクアドセッティングや自重での椅子を用いたスクワットを推奨しています。

やり方としては、
1)椅子の前で両腕を前に出して立ちます。

2)両腕を前に出したまま、スクワットをする時の要領で少しお尻を後ろに突き出しながら、ゆっくり座り込みます。

3)おしりが軽く椅子に触るまで、5秒程度の時間をかけて座り込みます。
このとき、座り込む際に膝が足のつま先より出ないように意識してください。

4)2秒程度椅子にとどまってから、5秒程度の時間をかけて、ゆっくりと立ち上がります。

ポイントとして、自分の太ももやふくらはぎにきちんと力が入っていることを意識して行ってください。
目線は真っ直ぐ正面を向くと、バランスを取りやすいです。
猫背にならないように気を付けましょう。

この運動を1度につき、10回してもらい、できることなら朝昼晩と3セット行うように患者さんにはお願いしています。
やればやるだけ良い!と考えられる方もいて、オーバーワークで腰や膝が痛くなる方もたまにいるので、筋肉に少し疲労感が残る程度でお願いしてます。

猫背や肩こり、腰痛が慢性化している方には自重での背面の筋肉のトレーニングを推奨しています。
加齢とともに背面の筋力は低下しやすく、臨床で患者さんを施術していて、よく筋力低下を感じる場所は殿部の筋肉とハムストリングスです。

このレジスタンス運動では広背筋、殿部の筋肉群、ハムストリングスのトレーニングに適しています。

1)床に仰向けに寝て、膝を直角に曲げた姿勢になります。

2)息をゆっくりと吐きだしながら腰を持ち上げます。

3)腰を上げすぎず、低すぎない位置で10秒ほど静止します。
首から膝までが一直線の状態をイメージして維持してください。
呼吸は止めないで、自然体で行います。

4)腰を下ろすときは、首の方からゆっくりと下ろしていきます。
急に力を抜かないて、床に身体を下ろさないでください。

これも10回を目安に朝昼晩と行います。

自重で出来るレジスタンス運動は、場所を選ばずにどこででもできます。
自宅でも、それこそ家事の合間や電車での移動中、会社での休憩時間を利用するのもいいと思います。
継続のポイントは無理なく、自分の空いた時間ですることです。

注意したいのは、レジスタンス運動では力を入れるために呼吸が止まりやすくなること。
息をとめてしまうと、血圧が上昇しやすくなるので、意識的に呼吸が続けてください。
力を入れたときに息を吐くのがポイントです。

最近、「昔より体力が落ちたが、身体が痛いから激しい運動は無理やなぁ~。」
といった方は是非、試してください。

同じような症状でお悩みの方は是非、

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(2020年9月4日)



 

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